らんままの気まぐれ独り言

LUNASEA、長澤知之が大好きな女の独り言です。時々太宰治が登場。

太宰治 トカトントン

太宰治の短編に「トカトントン」というのがあって、これも面白くて好きです。

戦中、戦後は日本の文学が少し衰退したそうですが、その中でも太宰は勢力的に次々と作品を発表していったそうです。

そしてこの「トカトントン」は戦後の話。しかし暗い話ではなく、ユーモアに溢れた作品です。

主人公が何かに情熱を持ち、思い込んだら一直線!一心不乱にのめり込むと、頭のどこからか「トカトントン」と釘を打つような音が。

その音が聞こえたとたん、情熱を注いでいたものが一瞬で馬鹿らしくなり、やる気を失ってしまうのです。
そして、しばらくしてまた情熱を注ぐものを見つけるが…。

主人公は自分の身に起きてることを太宰に相談しようと手紙を書きます。はっきりと太宰とは書いてませんが、おそらくそうだろうなと思わせる内容になってます。

この主人公の、次々と移り変わる心情が面白おかしく、人間の誰しもがこんな気持ちを味わった事があるんじゃないかな~と思いました。
思わずフフっと笑ってしまいます。

太宰は人間の心の内側を表現するのが上手い。
それは闇であっても光であっても。