らんままの気まぐれ独り言

LUNASEA、長澤知之が大好きな女の独り言です。時々太宰治が登場。

憎しみはお前を幸せにしたか?

アメリカン・ヒストリーX」という映画をご存知だろうか。
アメリカで1998年に製作された、アメリカの人種差別をテーマにした社会派の映画です。

私は、10年ほど前に人に勧められてDVDで見たんですが、今でも印象は強く残っています。
抽象的で、実感することが無かった人種差別問題。
この映画を見た後、すごく考えさせられました。


ネタバレしないように、ざっくりとあらすじを。

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無意識に、日常にあった白人優位の考え方。
あるきっかけで白人至上主義集団のリーダーとなった兄、デレク。
徹底的に黒人を差別し排除する。そしてついに殺人までしてしまいます。
目を背けたくなる事件です。

そして刑務所へ収監されるのですが、そこで同じく収監されていた黒人の青年と出会います。
最初は侮辱する言葉をかけますが、刑務所内で同じ仕事をするようになり、
彼との交流の中で、自分の考えが間違っていることに気付きました。

刑務所内で、ある囚人グループに目をつけられ、デレクはリンチされてしまいます。
攻撃される側の立場に立った自分。そして今まで自分は何を憎んでいたのだろうと考える。

そこへ見舞いに来た、かつての恩師からある言葉をかけられます。
「憎しみはお前を幸せにしたか?」

黒人=悪の考えを持っていたデレクは、その考えがいかに無意味であったかを思い知ります。
デレクにとって黒人はカテゴリーであり、一個人ではなかった。

そして考えを改め、三年後に出所すると、なんと弟のダニーが自分の後を追い白人至上主義集団に属し、
かつてのデレクのように差別を繰り返していた。ダニーは兄デレクを尊敬していたのである。

デレクは、自分が刑務所で経験したことを話し、ダニーに考えを変えるように説得します。
その憎しみは無意味であり、憎しみは何も生まないと。
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結末は非常にショッキングではありますが、興味のある方は、是非一度ご覧いただきたい。

かなり端折って説明したので、よくわからないと思いますが、本当にすごい映画だと思います。
主演のエドワード・ノートンが素晴らしいです!ただものすごくシリアスな内容です。

すごく考えさせられますし、自分の考えも変わるかもしれない。


さて、なぜこの映画の話をしたかと言うと、この映画のキーワードにもなっている言葉。
「憎しみはお前を幸せにしたか?」

そしてこんな言葉も出てきます。
「憎しみとは、耐えがたいほど重い荷物。怒りに身を任せるには人生は短すぎる」

憎しみは何も生まない。ただ憎しみの連鎖が起こるだけ。その連鎖は収まらない。

この映画を見て、この言葉と出会って、私の考えも変わりました。

スケールは小さいですが、それまではムカつく!とか誰かに対しての怒りや憎いと思う気持ちをいつまでも引きずり、
イライラすることが多かった。あいつのせいで、私はこんなに怒ってるんだ!と思っていたんです。

だけど、そんな怒りや憎しみの感情に支配されている時、人間は幸せだろうか?
自分自身が、自分自身を不幸に追いやってしまっている。

そして感情は自分の意思で捨てられるのだと知りました。
自分のためにこの怒りの感情は捨てる。こんなものに時間を費やすのは勿体無い。

怒り、憎しみに支配された心と、喜び、楽しみに満ちた心。
どちらが幸せかは一目瞭然ですよね。

まあ簡単に捨てられない時もあるかもしれません。
だけど自分にとって利益にはならないことは確かです。
不幸の連鎖を続けるのも自分。止めるのも自分。

怒りや憎しみの感情って、かなりパワーがいりますもんね。
そんなものに命を消耗するのは勿体無いし時間の無駄です。

自分の中に湧き上がる、イライラや怒り、憎しみの感情。
そんな時は、必ずこの言葉を思い出します。

「憎しみはお前を幸せにしたか?」

冷静に物事を見つめ、自分自身が自分自身を幸せに導いてあげないといけませんね。
もっともっと人間として大きくなりたいな~。