らんままの気まぐれ独り言

LUNASEA、長澤知之が大好きな女の独り言です。時々太宰治が登場。

20年


昨日は父の命日だった。

今年で20年経ったんだな。早いな。

20年。
やはり長い年月だと感じるけど、あっという間で、
父のことは今でも色褪せることなく覚えてる。

とても真面目な人だったから、今の私を見てどう思ってるだろう。
「しっかりしなさい」と叱ってほしい。

父に恥じないよう生きていたいのに、後悔ばかりしてる。
こんな自分でごめんなさいと、つい謝ってしまいそうになるな。

だけどきっと、微笑んでくれるだろう。
何も言ってくれなくても、あの笑顔は忘れられないから。




子供の頃好きだった父の匂い。今思えば、あれは加齢臭だった。
今嗅ぐと、アレ?ってなるかもしれないな(笑)


髪は若い時からスポーツ刈り。理由は楽だから。それだけ。
一度、スキンヘッドにしようとしたら、床屋さんに「人相が悪くなるから!!」と
必死で反対された。当時の床屋さん、ありがとう(笑)


オンボロの自転車に乗っていた。漕ぐ度ギーコギーコ、ブレーキはキーキー。
それでもちゃんと動くよと言って乗り続けてた。
物持ちがとても良い。


幼稚園の運動会。デカパン競争に親子で出た。
大きいトランクスを、片方ずつ2人で履いて走るリレー方式の競技。
私と父はトランクスを履き、走り、次の人へトランクスを受け渡す。
脱ぐ時に裏表逆になっちゃって、それを父は「次の人が困るから」と、丁寧に表に返してた。
競争負けちゃったよ。


自分が体があまり強くなかったため、息子には強い男になってほしいという理由から
兄と弟に空手をさせた。
型の試験がある時は、和室で正座をして、練習を見ていた。
父は空手のことは全くの素人である。
それでも真剣にアドバイスをしていたのを覚えている。
そのおかげか、兄と弟は黒帯を取れた。


夜勤の仕事も多く、その日は昼寝をしなくてはいけない。
子供をお昼寝に誘うのだけど、みんな寝たくないので断ってた。

「じゃんけんで負けたら一緒にお昼ね」
「今から目が合った人は一緒にお昼ねだよ」

6、7歳ぐらいまでは、そんなふうに遊びながらお昼寝のお誘いを受けてたっけ。
でも無理強いはせず、ほどよく遊んだところで寝室に向かってた。

もっといっぱい一緒にお昼ねしておけばよかったな。
なんで断ったりしたんだろう。


いくらでも思い出せる。

笑顔も、声も、匂いも

父を思い出すと、私はいつも子供に戻る。

触れられなくて、寂しくなる時もあるけど、父は家族の中で、私の中で生き続けているから
まだ完全に死んではいない。

会いたくなれば、いつだってあの笑顔を思い出せる。


ついつい思い出が美化されてしまうけど、
お酒が大好きで、よく酔っ払ってヘベレケになってたことも忘れちゃいないよ。

そしてまた、お酒臭い父の臭いを思い出してる。